スポーツとのかかわり方は人によって様々に異なる。
プレーするたのしみだけでなく、見るたのしみ、技術論を交えるたのしみ、等々。これら様々なたのしみに共通する基盤として、その人のプレー経験とともに動きやフォームの理解と見る目の確かさがある。


 最近、担当している授業で走幅跳の技能について、数人のグループを作って仲間の動作を観察し合い、観察した内容を伝え合うという学習を行った。今の時代、動作の様子を正確に観察するにはビデオに収録・再生すればよい。ビデオの時代に、目による観察にこだわった訳は、学生の観察能力を高めることにあった。
彼らに自分の観察能力のレベルを体験させたかったからである。予想したように同じ瞬間を見たにもかかわらず話し合わせると個々の学生が捕えた結果にはバラツキがあった。
この結果を知り、学生達はより注意深く観察するようになり、当然、繰り返すうちにバラツ キが次第に小さくなり、一致度が高くなっていった。
自分の動作の観察結果(指摘)を受けた学生も変化した。メンバーが指摘した事項と自分の感覚(自己の感覚的認識)とが、ある部分ではよく一致し、また別に、新しい指摘が得られたからである。
つまり、納得したのだと思う。
次から跳躍では真剣さが増し、指摘された問題点が徐々に改善されていった。

 プレーヤーはいつも上手にやりたいと考え、明日は今日よりも上手にとの思いを抱いている 。
この思い、技能の上達には優れた技能を正確に観察して要点を理解し、動作のイメージを確立することが重要である。
また、スポーツ技術をより深く知ることは生涯学習としても一つの学習項目であ ると考える。このように、スポーツの指導では技術を見る目を育てることも大切にしたい。

野原 弘嗣
京都教育大学 教育学部教授
医学博士

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