発達科学部って何をする学部とよく聞かれます。
発達科学部の設立趣旨は、人間の生から死までについて、ヒト・社会・自然の調和の取れた発達をめざし教育・研究するということです。 私はその中の人間行動・表現学科身体行動論講座に所属し、ヒトの発育・発達、加齢と運動との関係についてを研究しています。
今回は今流行の運動処方についてお話しします。


  近年、健康の維持・増進を目的として運動をする人が増えております。運動はただがむしゃらにすればよいというものではありません。
どのような運動をどのように実施すれば安全で効果的かを理解して行う必要があります。そのための運動プログラムを作成することを運動処方と言います。

同義語にトレーニングという言葉があります。
こちら競技選手の体力・競技力向上を目的としていますが、運動処方は健康・体力の維持増進が主なねらいです。
 運動の効果は超過回復というヒトの適応能力によるものです。即ち、生体に運動というストレスがかかると、そのストレスに打ち勝つため機能を向上させようとする適応が現れます。
これが運動の効果です。
超過回復という適応能力を機械の性能と比較すると、運動の効果、逆に安静の害がよく理解できます。車を例にとりますと、車の性能というのは購入時がピークで、年月とともに性能は低下し、定期的に車検を受けることになります。
しかし、車検を受けても改造しないかぎり決して購入時のパワーを上回ることは出来ません。
機械とはそういうものです。
 一方、人間の機能はうまくトレーニングすればトレーニング前よりもパワーをアップすることが出来るのです。2,000ccクラスの車が2,500ccあるいは3,000ccクラスにパワーアップ出来るのです。
これが運動の効果であり機械との違いです 。
しかし、この適応は逆にも当てはまり、日常の身体 活動水準の低下が続くとその安易な状態に適応しパワーダウンします。
これが安静の害です。即ち、2,000ccクラスの車がミニカになってしまうのです。
肥満でボディーはでかいのですが、搭載エンジンは小さいことになります。こんな車を好む人はまずいないでしょうね。
昔のテレビ・コマーシャルにこんなセリフがありました。
「いつかはクラウン」。

平川 和文
神戸大学発達科学部教授

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