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8月初旬にオーストラリアに行ってきました。シドニーは9月15日開催のオリンピックムード一色でした。2008年には是非大阪オリンピックが実現するといいですね。オーストラリアはスポーツの盛んな国です。クリケットやラグビーは国民の人気スポーツのようです。サッカーも子どもたちの間で人気があるようで、学校でよくやっていました。いずれにせよ、国土の狭いわが国と違って、オーストラリアはコートの心配のいらないスポーツ王国という感じを受けました。 |
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さて、サッカーやラグビー、アメリカンフットボールのような球技スポーツに共通する点は何でしょうか。それはいずれも運動形態が間欠運動という点です。間欠運動とは、短時間に高いパワーを発揮する運動が、歩行とかジョギングのような低強度の運動、あるいは休息をはさんで反復される運動形態を意味します。以前このスポーツミニ知識に書きました持久性運動は、一定の強度の運動を長時間持続する運動です。また抵抗負荷運動は、筋が疲労困憊に至るまで高い筋出力を発揮する運動です。間欠運動はこの2つの運動、即ち有酸素および無酸素の両運動が休息および運動期として反復される運動のことです。我々の日常生活活動は基本的には間欠運動です。
日本がシドニーオリンピックへの出場権を逃したバレーボール、バスケットボール、ハンドボール等のスポーツも間欠運動です。ラグビーも含め日本のこれらのスポーツは、なぜ世界に通用しないのでしょうか。日本選手は間欠運動能力に劣るのでしょうか。そこで今回は、オリンピックも目前と言うことで前回までの健康運動に重きをおいたスポーツミニ知識は少しお休みして、競技力向上の観点から間欠運動についてお話します。
ラグビーの試合を思い出して下さい。ラグビーは、ダッシュ、タックル、キック、モールのような無酸素的エネルギー供給を主とするハイパワーなプレーが、短時間のアウトプレー(休息期)をはさんで反復することにより行われます。そのようなハイパワーの発揮が前後半あわせて約1時間半続き、特に後半のハイパワー発揮能力の違いが勝敗を大きく左右します。私はいつ見ても、ノーサイドの合図まで果敢なダッシュ・タックルを繰り返すラグビー選手のフィットネスには感動させられます。
このような間欠運動の競技力を決定する体力要因としては、高いパワーの発揮能力とそのハイパワーを持続させるための素早いエネルギー回復能力が考えられます。
先行研究を見ますと、
■ハイパワーの発揮には、筋が速筋線維に優れた発達と高い無酸素的エネルギー供給能力が必要です。
□ハイパワーの持続には、無酸素運動で消耗したエネルギーを酸化的燐酸化により素早く回復させるための、高い有酸素的エネルギー供給能力が必要です。
このように間欠運動では、有酸素および無酸素の両エネルギー供給能力に優れていることが必要なのです。ここに、長時間にわたってハイスピード・ハイパワーを発揮できるスポーツ選手の魅力があります。
しかし、トレーニングには特異性の原則というのがあり、ある一つのトレーニングで有酸素および無酸素の両方を同時に鍛えるのはなかなか難しいものです。
■ハイパワーの発揮能力は、筋力・パワートレーニングにより向上させることができます。
□ハイパワーの持続能力を向上させるトレーニングは、最大酸素摂取能力と有意な関係にあるとされていますが、まだ十分に明らかにされているとは言えません。
我々の研究によると、競技の運動・休息の時間配分を分析し、実際の運動時間より少し長めの運動時間を負荷することにより、休息期の酸素摂取水準がより高くなり、ハイパワーの持続能力を改善させることが可能であることを認めています。今後、ハイパワーの発揮・持続が求められるスポーツ団体は、それぞれの競技をシミュレーションした間欠運動トレーニングを検討することが、競技力向上のための重要なスポーツ科学と思います。
日本選手の基礎技術は、多くのスポーツにおいて素晴らしいと言われています。しかし、人種的に体格・体力的に優れた欧米選手に日本選手が打ち勝つためには、彼らを上回るハイパワーの持続能力をつけることが必要ではないでしょうか。運動強度・運動時間・休息時間・反復回数から構成される間欠運動トレーニングは、トータルなフィットネス向上が期待できるものと思います。今後さらに科学したい課題ですね。
平川 和文
神戸大学発達科学部
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